インドのケララ州で、忘れられないクリスマスを過ごしました。ナガルジュナ・アーユルヴェーダ・センターという療養施設での出来事です。普段は静かに治療に専念する場所で、どんなクリスマスが待っているのか。想像もしていなかったサプライズと温かいおもてなしに感動した一夜でした。
キリスト教徒が多いケララ州のクリスマス
ケララ州は、インドの中でも特にキリスト教徒の割合が高い地域です。

そのため、クリスマスシーズンになると街全体がお祝いムードに包まれます。家々にはイルミネーションが飾られ、夜になると町中がきらめきます。

イブの夜ともなれば、あちこちで花火が打ち上げられ、音楽や爆竹の音が深夜まで鳴り止みません。インドらしい、賑やかで華やかなクリスマスです。エネルギッシュな祝祭の雰囲気。それでいて、どこか温かく包み込まれるような空気感が、南インドならではの魅力です。
療養施設の朝から始まった準備
普段のナガルジュナ・アーユルヴェーダ・センターは、とても静かな場所です。滞在者たちは治療やトリートメントを受け、規則正しい生活を送りながら心身を整えています。ところがクリスマスの日は朝から様子が違いました。スタッフたちが忙しい仕事の合間を縫って、施設内の飾り付けを始めていたのです。手際よく、でも楽しそうに装飾を進めていました。

昼過ぎには、部屋に一通の案内状が届きました。今夜、クリスマスイベントが開催されるとのこと。療養施設でのクリスマスパーティーなんて、まったく予想していなかっただけに、わくわくする気持ちが募ります。

歓迎の挨拶から始まった温かい時間
イベントは、センター長の歓迎の挨拶から始まりました。滞在者一人ひとりへの感謝の言葉と、メリークリスマスの祝福。シンプルながらも心のこもった言葉に、会場全体が温かい雰囲気に包まれます。すると、滞在者たちも感謝のスピーチをしようと、次から次へと手が挙がりました。「細やかな気遣いに感謝しています」「皆さん温かさ、ここは第二のふるさと」「心も体も満たされてます」感謝の言葉が途切れることなく続きます。スタッフたちは照れながらも嬉しそうに微笑んでいました。

「今日は特別です!」サンタからのチョコレート
そして、会場に現れたのはサンタクロースに扮したスタッフです。一人ひとりにチョコレートを配ってくれました。この施設では、ドクターの指導のもと、滞在者は厳格な食事制限を守っています。アフタヌーンティーで提供されるチャイ以外、基本的に糖分は避けるべきもの。でも、「今日はクリスマスなので特別です!」というサンタの一言に、会場が笑顔と歓声に包まれます。

手作りのケーキも運ばれてきました。そして、搾りたてのフレッシュなぶどうジュースも配られます。普段は控えているものだからこそ、その特別感はひとしおです。


スタッフとゲストが一体となったエンターテイメント
そして、さらなるサプライズが待っていました。スタッフたちによる歌とダンスのパフォーマンスです。南インドの伝統的な踊りあり、ポピュラーな音楽の熱唱あり。普段は治療やケアに専念している姿しか見ていなかったスタッフたちが、思い切り楽しそうに踊っています。

常連の滞在者からも、クリスマスソングの披露もありました。音楽が人々を繋いで、スタッフもゲストも一緒に楽しみ、一体感のある時間が流れていました。

ビュッフェスタイルの食事で締めくくる特別な夜
イベントの最後は、ビュッフェスタイルでの食事です。アーユルヴェーダの原則に基づいた、体に優しい料理の数々。でも、この日はいつもより華やかなメニューが並びます。

そして何より特別だったのは、スタッフとゲストが一緒に食事を楽しんだことです。

アットホームなおもてなしが生む特別な思い出
アーユルヴェーダ施設での滞在は、基本的には自分の心身と向き合う時間です。規則正しい生活、食事制限、トリートメント。でも、こうして文化的なお祝いを大切にし、滞在者を楽しませようと心を尽くしてくれるスタッフの姿勢に、深い愛情を感じました。ケララのクリスマスは、イルミネーションや花火だけでなく、人々の温かさが何よりも心に残るものでした。スタッフとゲストが仲間として一緒に過ごした時間。それは、アーユルヴェーダの本質である「心身の調和」を、最も美しい形で体現したものかもしれません。思い出に残る、本当に特別なクリスマスになりました。


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