時を忘れる癒しのリズム:アーユルヴェーダの施設での一日

アーユルヴェーダ日記

現代社会では「時間管理」が美徳とされていますが、アーユルヴェーダの世界は少し違います。ここでは時間は直線ではなく、円環のように流れ、すべての瞬間が治癒へと繋がっていきます。その不思議な時間感覚の中で過ごす一日をご紹介します。

一日のタイムテーブル

アーユルヴェーダの施設での一日の流れはこのような感じです。

朝食(7:30 – 9:30) – 身体を目覚めさせる優しい栄養補給

担当ドクター回診 – 私の体調や治癒の進捗を細やかに確認

午前の施術(1時間 × 1-2回) – 古代の知恵を宿した手技による浄化

ハーブ薬の服用 – 内側からのデトックスを促進

部屋のクリーニング – 身体だけでなく環境の浄化も大切に

昼食(12:00 – 13:30) – 薬膳の原点とも言える調和の取れた食事

午後の施術(45分 × 1-2回) – さらなる癒しの時間

ティータイム(15:30 – 16:30) – チャイと共に小休憩

翌日予定の説明 – 明日への準備と期待

ヨガ教室(17:30 – 19:00) – 身体と心を整える時間

ハーブ薬の服用 – 夜のデトックスサイクル

夕食(19:00 – 20:00) – 一日の締めくくりの軽やかな食事

夕方になると、ドクターが翌日のスケジュールを記した紙を持って訪れます。このリズムが日々続くことで、知らず知らずのうちに現代の時間感覚から解放され、自然のサイクルに身を委ねていくのです。

施術と薬の服用スケジュール

人の往来が織りなす癒しの交響曲

「静養」というイメージとは裏腹に、アーユルヴェーダ施設での一日は意外にも賑やかです。施術師、ドクター、薬剤師、カスタマーケア担当者、マーケティング責任者、清掃スタッフ…。約1時間おきに誰かが部屋を訪れるため、時間はあっという間に過ぎていきます。まるで「癒し」という名の劇場で、次々と登場人物が入れ替わる演劇のようです。

それでも、心身の調和を大切にするアーユルヴェーダの教えに従い、隙間時間を見つけては施設の庭に出て、川のせせらぎを聞きながらゆったりと散歩を楽しみました。身体を動かすことも、治癒の大切な要素なのです。

川が見える敷地内のベンチ

「良薬は口に苦し」の真髄

 一日に二度、薬剤師がワイングラスに入ったハーブ薬を届けてくれます。まだ温かい液体からは、古代の知恵が香り立つよう。その苦みと渋みは、現代人の味覚からすれば「挑戦的」と言えるかもしれません。しかし、その味わいにこそ効能が宿っているのだと信じ、一気に飲み干します。

私に処方されたのはヴァータ(風のエネルギー)を鎮め、消化不良と便秘に効果をもたらす調合薬。西洋医学の「一症状一薬」とは異なり、体質全体のバランスを整えることで症状の改善を目指すアーユルヴェーダの哲学が、このひと口に凝縮されているのです。

まさに「良薬は口に苦し」ということわざを、身をもって体験する日々。しかし不思議なことに、日を重ねるごとにその味わいにも慣れ、むしろ体が求めるようになってきます。身体が本来の健康を取り戻そうとする声に、少しずつ耳を傾けられるようになってきたのかもしれません。

※ヴァータなどの体質/気質診断についてはこちらを参照して下さい。

 

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