【体験レポ】心地よい癒しの時間:アーユルヴェーダ施術「レパナム」の古代の知恵

アーユルヴェーダ日記

南インドのアーユルヴェーダ施設で過ごした日々の中で、「レパナム(Lepanam)」という施術を受けました。現代の忙しない生活から離れ、古代から伝わる自然の知恵に身を委ねた体験をお伝えします

レパナムとは—自然の薬草で癒す伝統療法

レパナムは、薬効成分たっぷりの薬草ペースト(レパムペースト)を体の必要な部分に塗布する伝統的な施術です。高い抗炎症作用と鎮痛作用があり、血液循環を促進しながら体内の毒素を排出し、炎症による痛みを和らげてくれます。

アーユルヴェーダの医師によると、この施術はさまざまな種類の炎症、関節炎、痛風、皮膚病、湿疹などに効果があるそうです。私自身、長年の慢性的な肩こりと腰痛に悩まされていたため、担当医師からこの施術を勧められました。

穏やかな時間の流れる施術体験

施術は意外にも専用の治療室ではなく、滞在していた自分の部屋で行われました。リラックスできる環境の中、ベッドにビニールシートを敷いてうつ伏せになると、セラピストが痛みのある肩と腰に薬草ペーストをていねいに塗っていきます。

ペーストは温かくてなめらかな質感で、塗られる感触がとても心地よいものでした。部屋に漂う薬草の自然な香りも、心を落ち着かせてくれます。

レパナムのペースト

静かな時間と深い休息

施術後は約45分間、そのままの状態で横になります。「動かないでください」という指示は、常に動き続ける日常から解放されるチャンスでもありました。静かな部屋で、ただ自分の呼吸に意識を向けるこの時間は、忙しい日々を送る現代人には貴重な体験です。

気がつくと私は心地よく眠りに落ちていました。これもまた治療の一部なのかもしれません。忙しない生活の中で忘れがちな「ただ休む」という行為の大切さを、体が自然と思い出したようでした。

自然のリズムで効果を待つ

時間が経つとペーストは乾燥して、パリパリに固まります。セラピストが再び部屋を訪れ、バスルームでペーストを丁寧に洗い流してくれました。

正直なところ、施術直後はあまり効果を実感できませんでした。しかし、アーユルヴェーダの治療は即効性を求めるものではないと教えられました。薬草の成分が肌から浸透して体を循環するのには約10日ほどかかるそうです。

現代医療では「すぐに効く」ことが求められがちですが、アーユルヴェーダでは「体の自然な回復力を高める」ことが大切にされています。効果が穏やかに現れるのを、期待しながら待つ—そんな忍耐も、実は治療の一部なのかもしれません。

古代の知恵から学ぶこと

一見シンプルに見えるこの施術ですが、5000年以上の歴史に支えられた深い知恵があります。自然の恵みを活かし、体本来の治癒力を引き出すアーユルヴェーダの考え方は、薬に頼りがちな現代の生活に一石を投じてくれます。

効果はすぐには分からなくても、自然の力を信じて「待つ」という姿勢も大切だと感じた体験でした。日本に帰ってからも、この「レパナム」で学んだ「焦らず、体の声に耳を傾ける」という教えを、忘れないようにしたいと思います。

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