アーユルヴェーダ施設周辺散策:常連さんが案内するフルーツ天国と隠れた名店

アーユルヴェーダ日記

アーユルヴェーダ施設での生活にも慣れてきた頃、向かいの部屋に滞在している方から思いがけないお誘いを受けました。「近所を少し歩いてみませんか?」

その方は、この施設の”常連さん”とでも言うべき存在。何度もここに滞在されているベテランで、施設周辺の地理にはすっかり詳しくなっていらっしゃいます。そんな彼の案内なら、きっと面白い発見があるはず。私を含む仲良し5人のグループで、さっそく周辺探索に出発しました。

各家庭が営む「プライベート果樹園」の驚き

歩き始めてすぐに気づいたのは、どの家の庭にも必ずと言っていいほど果樹が植えられていることでした。日本で言えば「家庭菜園」のような感覚なのでしょうが、そのスケールと種類の豊富さには目を見張ります。

たわわに実がなっているマンゴーの木

マンゴーの木は当たり前のように各所に見られ、大きな葉をつけたブレッドフルーツ(パンノキ)、そして存在感抜群のジャックフルーツまで。

ブレッドフルーツ(パンの木)

ジャックフルーツに至っては、まるで恐竜の卵のような巨大な実が木にぶら下がっていて、初めて見る私には少々迫力がありすぎました。

迫力のあるジャックフルーツ

「これが普通の風景なんですよ」と常連さんは涼しい顔でおっしゃいますが、温帯地域で育った私にとっては、まさに「フルーツの楽園」を歩いているような気分です。ブーゲンビリアやハイビスカスといった色鮮やかな南国の花々も、この豊かな緑の中では脇役に回ってしまうほど。

地域に根ざした「常連ネットワーク」

さらに驚いたのは、常連さんの交友関係の広さでした。散歩の途中で出会う近所の方々と、まるで古くからの友人のように自然に会話を交わしていらっしゃいます。

「あ、また来られたんですね!」 「今度はどのくらい滞在されるんですか?」

こうした温かい挨拶が各所で聞かれ、彼がこの地域にすっかり溶け込んでいることがよく分かります。リピーターとして施設に通い続ける中で、自然と地域コミュニティの一員になっていくのも面白い側面です。

「基本的に外食禁止」の抜け道発見

アーユルヴェーダ施設では外食が基本的に禁止されています。これは食事も治療の一部であり、担当ドクターが監修するクライアント一人ひとりの体質に合わせたメニューが三食提供されているからです。野菜やハーブを豊富に使った食事は、まさに「食べる薬」とでも言うべき存在。しかし、常連さんには秘策がありました。

「アイスクリームくらいなら…」

その言葉と共に案内されたのは、地元の小さなアイスクリーム店。確かに、これは「外食」というより「おやつ」の範疇でしょうか。常連さんの絶妙な解釈に、思わず苦笑いしてしまいます。

ピスタチオとカシューナッツの贅沢な出会い

そこで出会ったのが、これまで食べたことのない豪華なアイスクリームでした。ピスタチオとカシューナッツがたっぷりと練り込まれ、さらにホワイトチョコレートでコーティングされた一品。見た目からして、明らかに普通のアイスクリームとは一線を画しています。

一緒に散歩していた仲間のうち二人は、体重を減らす必要があるということで、施設では特にダイエット食を摂っていました。そんな彼らにとって、このアイスクリームは久しぶりの「ご褒美」。目を輝かせながら「こんなに美味しいものを食べるのは久しぶり!」と大はしゃぎしている姿を見ると、こちらも思わず笑顔が こぼれてしまいます。

カシューナッツの原産地がインドだということを、この時初めて実感しました。日本で食べるカシューナッツとは香りも濃厚さも全く違います。そこにピスタチオの上品な風味が加わり、ホワイトチョコレートが全体をまろやかにまとめている。まさに「インドならではの贅沢」を味わっているような気分でした。

汗と努力が生み出す最高の調味料

南国の日差しの下、相当な距離を歩いていた私たち。額に汗をかき、少し疲れを感じていたタイミングでのこのアイスクリームは、まさに天からの贈り物でした。

「汗をかいた後の冷たいものほど美味しいものはない」という、世界共通の真理を改めて実感。アーユルヴェーダの教えに「適度な運動と適切な休息」というものがありますが、これはまさにその実践版だったのかもしれません(と、都合よく解釈してみます)。

散歩が教えてくれた「生活に根ざした癒し」

この何気ない散歩を通じて感じたのは、アーユルヴェーダという古代の智慧が、決して特別な場所に隔離されたものではないということでした。地域の人々の日常生活、豊かな自然環境、そして人と人とのつながり。これら すべてが調和して、真の癒しの環境が作られているのです。

明日もまた、どんな発見や出会いが待っているのか楽しみです。ただし、アイスクリームの「抜け道」については、あまり頻繁に使わない方が良さそうですね。

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